火薬類は、その爆発的エネルギーを利用することにより各種産業の向上、発展に寄与しており、さらに最近は利用分野の研究、開発も盛んでありますが、反面火薬類による不祥事件、或いは取扱い上の不注意による災害事故等憂慮すべき事態が発生し、法的にもその取扱いについて厳重な規制が行なわれていることは御承知のとおりであります。
日頃、火薬類を取扱っている関係業者としては一致して、災害事故の絶滅、不正流通防止のため、あらゆる努力を払うことが社会的責任であると信じます。これら火薬類による災害事故を未然に防止し、その取扱い及び管理の適正化を促進するためには、単に法的規制を強化するのみでは万全を期することが困難であり、火薬類に関するすべての関係者の自主的かつ有機的な保安活動とあいまって、初めて実効が期せられるものであります。
かかる見地から火薬類の製造、販売、消費等に携わる都下の全関事業者が一丸となり、一致協力して自主保安体制を確立することが急務であると信じ、自主保安活動をはかる団体として昭和44年4月「東京都火薬類保安協会」を設立しました。
以来積極的に保安活動の業務を運営してまいりました。
然しながら昨今の社会情勢の変化、事業の多様化、更には急速な技術革新等が事故災害を複雑化する傾向にあり、保安指導の強化が一層大きく取り上げられるに至りました。
このことは、火薬類の保安が法規制のみならず、時代の要請に即応するためには一段の組織強化を図らねばならない時に至つたのであります。
設立当時300社足らずの会員によって発足した協会も現在では500社を超え、その事業活動においても充実してまいりました。よって、協会がこれらの保安対策、保安技術の向上を推進する役割は一段と大きく、かつ重大であることを痛感するものであります。
以上の見地から協会の組織も対外的活動、或いは行政への積極的な協力、又は一般都民に対する事故の防止を行なうためには従来の如き任意団体でなく、権威ある社団法人としての資格が必要な情勢となり昭和53年度通常総会に提案し御賛同を得ておりますので、今般任意団体である「東京都火薬類保安協会」を発展的に解消し、「社団法人東京都火薬類保安協会」を設立して公共の安全を確保するとともに、新協会発展のために尚一層邁進しようとするものであります。
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